■マコの傷跡■

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chapter 42



~ chapter 42 “告白” ~ 


一方、サーファーの彼とは連絡は取れていたもののかなり冷たくあしらわれていた。
彼女は居ない様だったから何度か「会って欲しい」と頼んでみたけれど
忙しいから、と全て断られていた。 “あぁ、やっぱりもう遅いか・・・。”
昔、「後悔するぜ」と言った彼の友達の方にも連絡は取れたけれど
彼にも「もう諦めた方がいい」と言われていた。
別れて5年近く経っているのだから当たり前だよね・・・。

私は揺れる自分の気持ちをどうしていいのかわからなくなった。
でももしも、次にサーファーの彼以外へ気持ちを向けるなら
完全にサーファーの彼の事は気持ちから消してからでないと。
まだ可能性が残っているのでは、と思ったまま他の人に気持ちを寄せるような
中途半端な事はもう2度としない。

整備士の彼と皆で出かける計画をしてた時、なかなか全員の予定が合わず、
突発的に「別に最悪2人で行っちゃってもいいし」と言ってしまっていた。
「えっそう?じゃぁ2人で行っちゃう?」と言われてから「しまったっ」と思ったけれど
断るのは変に意識しているようで今更引けなくなっていた。
もちろん嫌ではないけれど、彼と2人で出かけて
男女の雰囲気を全く出さずにいられる自信がなかった。
私の気持ちの中では整備士の彼がどんどん大きくなっていた。

“でも、まだダメだ・・・。今の私ではまだ次へ進めない。”

2人で出かける約束をしてしまった私は帰ってからどう断れば不自然でないか考えた。
「やっぱり2人で行くのはやめない?みんなで行った方が楽しいし」
電話でそう言った時、やっぱり変に意識してしてる言い方になってしまったと思った。
これでは2人きりになるのをすごく警戒しているみたいだ。
彼を警戒している訳ではないのに、なんだか失礼な言い方になってしまった様に思えた。
「え?うん、別にいいけど・・・」と言った後一瞬、彼のほうに沈黙があったので
何か言い訳をしなければ、と思った私は慌てて言い訳をした。
「別に警戒してるとかじゃないの。いや、警戒はしてるんだけどそれはあなたじゃなくて私自身が・・・」
さんざんまくしたて、言えば言うほどおかしくなって行く気がした。
最終的に自分でも何を言ってるのかよくわからなくなった時、
「私、あなたが好きかもしれないの。」と言っていた。

あれだけ誰にも頼らないって思っていたのに。
もう、自分が情けなくて泣きそうだった。


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